×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「――あれ?」
「あ、起きたね先生」
キッチンダイニングと寝室とを分けるすりガラスをあけて、手を拭いながら藤見が顔を覗かせる。
「先生、酔っぱらって寝ちゃうからここに動かしちゃったよ」
「……なん、おまえ平気なわけ、」
「言ったじゃん。飲めるよって」
「ざるかよ……」
どんだけでかくなったんだよ、とひとりごとのように呟くと、「先生みたいな大人になるって決めたから」と答えがあった。
「……おれ、そんなに身長ないし酒もそうでもない」
「そうなんだよな。今日はじめて知った。大丈夫? 水、飲む?」
「……ちょっと吐いてくる、」
よたよたに歩いてトイレで胃の中を空にする。口をゆすいで戻ると、ダイニングの方は綺麗に片付いていた。
藤見は、布団の傍にクッションを持って来て本を眺めていた。いくらか頭はすっきりしていても、身体はふわふわしている。布団に崩れてうつぶせになると、「大丈夫?」と再度訊かれる。
「こっちの人って酒の強いイメージだけど、先生って全然だったんだね」
「酒は好きだよ。ちょっとの量で眠くなるだけで」
「眠い?」
「いや、身体が思うように動かないだけ……」
くたくたの背中に、こつっと固い背を当てられた。
「本、返しに来た」
「んー……ありがとう」
「おれちゃんとこれ守ったんだよ」
「なん?」
わざわざ枕元にまわり、貸した本の一ページをめくって見せた。
『失恋の〈われ〉をしばらく刑に処す アイスクリーム断ちという刑』
「寮だとおれ、甘いもの嫌いってことになってる。アイスクリームだけ食べないって言ってるのに」
『失恋の〈われ〉をしばらく刑に処す アイスクリーム断ちという刑』
「寮だとおれ、甘いもの嫌いってことになってる。アイスクリームだけ食べないって言ってるのに」
「あほか……」
「ひとりだけ、『失恋したの』って言い当てた人がいた。その子もこの人の歌が好きだって言ってた」
「……その子のこと、好きになったりしなかったのか」
「ちょっとだけいいなって思った」
「……そう」
「これ、めちゃくちゃ読み込んでぼろぼろになっちゃった。だから別の買ったんだ。先生ごめんね。そっち返すよ」
「別のって、おれが買ったときすでに古本だったんだぞ、この本」
「でもそんなに高くなかったし、入手も難しくなかった」
返すね、と言い、本棚に本を納める。確認するのも億劫で、ずっと枕に顔を埋めていた。
「――中島先生。学年主任だった、」
「ああ、」
「に、連絡してみて先生にようやく繋がって、ほっとした。卒業するとき、無理にでも先生のアドレス訊いておけばよかったなって後悔してた」
「そんなん、教えるわけないだろ、」
「なんで?」
「教えちまったら、……連絡なんて、すぐに取りたくなるよ、」
「……」
「連絡なんか取ったら、すぐに会いたくなるよ」
正直、この五年を、私は疑っていた。藤見が律義に約束を守る青年に育つと、信じていなかった。そんなのを信じるほど若者を信用していないはずだ、と。自分がそうじゃなかったんだから、そう言い聞かせていた。
それでもかつての同僚づてに届いた藤見からのメールは、もらったときに、待っていた、ととんでもない喜びに貫かれた。焦燥で興奮していた。本当は若い人のことを信じたいのだ、と自分を理解していやになった。そういう大人が子どもに見る夢を、若者に押し付けていいわけがない、と。
また、背になにかが当てられる。今度は本の背ではなく、意思を持った藤見のてのひらだと理解できた。
「先生、おれちゃんと大きくなったろ、」
「――……だいぶ予想外に」
「予想外のおれは嫌だと思う? ちいさいまんまの方がよかったって思う?」
「……」
「先生、あんまり変わってなくてそっちの方がおれはびっくりした。あんだけ自分のことどうのこうの言ってたくせにな。どうなってるんだろうっていろんな想像してた。あ、でもおれよりちいさくなってたのは想像してなかった」
「うるせぇ……」
「先生、おれのこと、嫌だと思う? 思わないなら、起きてよ。おれ、先生の話訊くためにここにいんだよ」
「……」
「そういう大人になるって決めて五年暮らしたおれのことを、先生は、ちゃんと見てよ」
ぐ、と背中に圧がかかる。腰のあたりでわだかまっている手は、セーターを握りこんでいた。手の熱さは、吐息の熱さだと思う。軽く呻いて声の出を確認してから、「そのまま上」と言った。
「上?」
「手。裾まくって、背中見ていいよ」
「……いいの、」
「ろくなもんでもないから、後悔するかもな」
藤見はシャツの裾をズボンから引っ張り出し、セーターごと背中を明らかにした。
そこには、月面が再現されている。そう言われた。腰から肩甲骨にかけての広範囲に広がる、クレーターまである痣なのだという。少年のころはうっすらと赤いのだと言われていたが、以降で誰かにちゃんと確認して訊ねたこともないので、現状は知らない。
シャツをめくってしばらく黙っていた藤見に、「人様にお見せするようなものじゃないだろ」と言ってやる。
「おまえが入れたタトゥーの方がよっぽど綺麗だろうな」
「……ここまでちゃんと『月』なんだと思わなかった。痛く、ない?」
「痛くはない。……そんなひどい色してんの、そこ」
「なんか、月が赤いときってあるじゃん。赤銅色、っていうの。ああいう感じ」
「ふうん。なら、そんなに昔と変わってないんだろうな。その、腰の近くの、ちょっと色が濃い、らしい、ところ」
「触っていい?」
答えを待たずに月面地図を辿られた。
「――ここ?」
「……多分そこ。ちょっとざらざらのひどいところな」
「本当に月にあるクレーターみたい」
「それ、ティコ、っていうらしいよ」
「ティコ?」
「……そう言われた」
――ちゃんとティコまであるじゃないか。ミサト。
「昔の天文学者の名前のついたクレーター。実際に月にあって、おれにもあるってさ」
「……誰に言われたの、」
「……」
「こんなところ、ちゃんと見ようとしなきゃ見えないだろ……」
PR
その青年は、ショルダーを下げて、船着場で海の方向をぼんやり見ていた。誰なのか、はじめははっきりとせず、ただ目を奪われるような若い人がこんなところにいるな、と眺めていた。車を停め、改めて船着場へ近づくと、青年は振り向いた。振り向いた顔に備わった目の透き通る力強さで、一瞬にして射抜かれ、五年の歳月を引き戻される。
「――先生、」
「藤見、おまえ、……でっかくなったなあ」
「うん、あれから身長が二十五センチ伸びた。先生、越したね」
目線は高さが微妙に合わなかった。自分はそんなに低身長なわけではないけど、藤見の成長は私をとうに超えていた。
「声もすっかり変わったな。誰かわかんなかった。車こっち。よくこんなとこまで来たよ。メールもらってびびった」
離島の船着場で待ちぼうけしていたのは、五年ぶりに会った藤見だった。おもかげはあるけれど、すっかり大人の身体つきでいる。あのころ以上にみなぎる若さには、たくわえた筋骨の逞しさや、伸びた手足の太さに、生物としての確かな人間味を感じる。
少年、から、青年、へと変化した、大人の男。
船着場近くの駐車場に停めていた車に乗り込んで、「遠かったろ」と車を発進させる。
「そうでもないよ。おれ、いま、こっちの大学通ってんだ」
「え? 東京でも京都でも筑波でもなくてか?」
「ちょうどいい研究室がこっちの大学にあって、進路を選べた。先生、この車どこに向かうの?」
「ああ、おれがいま住んでる教員住宅。っても土地があるからさ、向こうにいた時よりははるかに広い部屋に格安で入ってる」
「実家は?」
「親父は病気持ち直してな、まだ書道教室を頑張ってる。週末だけ帰って手伝ってるよ。でもこの週末は休暇だ。スーパーで飯の材料買ってこう。料理振る舞ってやるよ」
島内の道は狭い。だから軽自動車を採用しているぐらいだ。坂を上がったり下ったりして、途中で買い出しをして、藤見を部屋に招いた。
ファミリー向けの教員住宅で、部屋数のある一軒家タイプだった。駐車スペースもある。ささやかながらの裏庭には洗濯物を干しながら、ちいさな畑がある。この冬は白菜と大根とほうれん草を収穫できた。すだちの樹が元から植えてあるので、その実も収穫できた。
「ここがキッチンダイニング。そっちが風呂場とトイレ。縁側の向こうが物干し場と畑。ひとりだからリビングで寝起きしてる。あともう二部屋あって、ひとつで書を書いたり授業準備したり、もうひとつは書庫になってる。屋根裏もあるよ」
「すげえ、いい暮らしだね。こっちの大学来て物価の安いのびっくりしたけど、ここはもっと贅沢な感じする」
「物価は高いよ。離島だから。大きな買い出しは島外に出ないといけないし」
「見てもいい?」
「いいよ」
部屋の隅に鞄と上着を落として、藤見はそこらを歩きまわる。食事の支度をしながら、単純に大きな質量が部屋の中を動いている感覚が、慣れなかった。藤見に会うまでは当然ながら少年期の藤見のことしか思い描けていなかったから、会って本当に驚いた。まさかこんな精悍に変わっているとは。五年という歳月の遠さを実感する。
あちこち見てまわっていた藤見は、軒下に吊るしてあった干し柿を齧りながら戻って来た。
「柿、まだ早くなかったか」
「うん、こんなもんじゃね? 庭に猫がいた。三毛とぶち」
「ああ、よく来る。たまに餌やっちゃうけど、多分あれはどっかの飼い猫だ」
「飯、なに?」
「刺身と鍋。つみれにしようと思って」
「手伝う? おれ、魚さばけるし刺身引けるよ」
「え、それはすごい進歩」
冷蔵庫を指すと、そこを探ってまるごとそのままのいかとアジとイワシを取り出した。先ほどスーパーで買ったのだったり、近所からもらったのだったり。
「じゃあいかとアジ、刺身に引いて。イワシはこっちにくれ」
「うん。包丁どこ?」
「こっち。魚のさばき方なんてどこで覚えたんだ」
包丁とまな板を渡しながら訊くと、「寮」と返事があった。
「いま寮生活してる。料理の上手い先輩がいて、教えてもらったんだ。昔はあれだけ苦手だと思ってたんだけど、手の動かし方が分かったら面白くなった。こういう作業ってアタマにもいいんだね。手を動かしながら数字のこと考えてる時間は楽しいし、すっきりする」
ずいぶん変わったな、と思った。ただただ黙って熟考していくだけのタイプだと思っていた。少なくとも、中学時代はそうだったと思う。
キッチンで手を動かす私に背を向けるかたちで、ダイニングテーブルで作業しはじめる。
「ラジオでもつけるか?」
「んー、いい。先生の声聴いてたい」
「声って。落語じゃあるまいし」
「先生、いまも中学の先生?」
「そー。去年まで本島で教員やってて、異動が叶って今年からこっち来た」
「え、じゃあそっちの方が大学に近かった? おれいまH大だけど」
「距離的には近かったかもしれないけど、時間はかかる場所にいたと思うよ。山の中だったから。おまえは大学で相変わらず数字いじって遊んでるのか」
「言い方」
「高校で国際数学オリンピックの日本代表に選出された話は聞いたよ。だからもっとそっちに強い大学に進学したかと思ったけど」
「数学なんかどこでもできるよ。あ、でも、卒業したら院には行こうと思ってる。東京か京都か」
「夢ひろがるなあ」
「国を出ちゃえばタトゥーのことなんかまったくなんにも言われなくなるから、海外の方がいいかなって、最近は考える」
「……そうか」
「寮だとさ、風呂とトイレが共用だから。タトゥーのことはみんなに突っ込まれたよ。大人しそうな顔して意外にやんちゃだったって」
軽く笑い、藤見は「お皿ある?」と振り向いた。
「後ろの食器棚からテキトーに」
「食器、たくさんあるね。買ったの?」
「まさか。前の持ち主の残しものだよ」
「食器とか調理器具とかって、ひとりで揃えようと思うと大変だね。こっちにひとりで来るまで、そんなの分からなかった」
「そういうものだよ」
こちらも食卓が整い、ダイニングテーブルを片付けて並べる。藤見の整えた刺身は綺麗に透きとおっていた。喉が渇くのは、食欲があるからじゃない。「飲めるのか?」と訊いたが、断られたときのことも、頷かれたときのことも、なにもかもの答えを考えるのはやめていた。
「飲めるよ。おれ」
「じゃあせっかくの鍋と刺身なら焼酎出すか。グラスそっちから出してくれ」
「ん、」
『卒業証書授与。卒業生、起立』
ひとりひとりが名を呼ばれ、壇上にあがって校長から卒業証書を受け取る。儀式の中で、藤見の姿を遠くから見ていた。この短期間でやや背が伸びたように思う。肩幅に広がりを感じた。
まるい後頭部に光が当たり、つむじがくぼんで暗い。いまはあったかそうだな、と以前触れた髪の冷たさややわらかさを思い出した。
藤見も名を呼ばれ、壇上に上がる。たどたどしく証書を受け取り、流れ作業で壇上から下がっていく。在校生からの送辞があり、卒業生からの答辞がある。お別れの歌をうたい、退場していく。
『続いて三学期の終業式及び離任式を行います』
「陣内先生」
背後からそっと呼ばれた。三学年の学年主任がそっと戻って来ていた。
「ああそうか、離任式ですもんね。あっち行ったりこっち行ったり大変ですね」
「あっちこっちバタバタねえ、体力がもちませんわ」
「先生はどちらでしたっけ」
「南の方にある学校で教頭です」
「それはおめでとうございます」
「陣内先生も、――ほら、並ばないと」
促されて体育館の隅に整列する。
職員室の机を片付けていると、扉の方から「陣内先生いらっしゃいますか」という声がした。低めにやや掠れた声に、聞き覚えがない。振り返ると私服姿の藤見が立っていた。
職員室の机を片付けていると、扉の方から「陣内先生いらっしゃいますか」という声がした。低めにやや掠れた声に、聞き覚えがない。振り返ると私服姿の藤見が立っていた。
「――なにしに来たんだ、不良卒業生」
「……おれ、まだこの学校の三年生だし。新聞、見て、」
「ああ、」
藤見は鞄から今朝の新聞を取り出した。そこにはこの地域の公立学校を異動する教員の一覧が載っている。昨日離任式だったので、今日の朝刊で載る情報だった。
「先生、転勤じゃなくて、退職って書いてあるから、……」
「また指導室行くか。あっちも片付けにゃならん。手伝え」
ぽん、と頭をはたいて職員室を出る。藤見も後ろをついてきた。
生徒指導室は、あまり私物化してはいけないと分かっていてつい持ち込んだ本が増えていた。それを段ボールにまとめる途中になっている。普段より片付かない部屋の中で、「卒業おめでとう」と言って職員に配られた紅白まんじゅうの赤い方を渡した。
自分は白い方のフィルムを剥がし、口にする。
「なんで退職なの、」と藤見はせっかくのまんじゅうを口にしない。
「先生、辞めちゃうの?」
「ああ」
「なんで、……それって、おれのせい?」
「それこそなんで?」
「おれが……タトゥーのことで先生に迷惑かけたから、」
「ばか」
くしゃ、と手の中でフィルムを潰し、ポケットに突っ込んだ。藤見は不安そうな顔を隠さない。
「別にクビになったわけじゃない。大体、たかがおまえ程度のことでクビになるわけないだろ。自分で辞めるんだよ」
「なんで、……」
「教員を辞めるわけじゃないぞ。公立校の教員てのは地方公務員だから、都道府県の預かりなわけだ。おれが退職するのは、この地方の公務員。――まんじゅう食えよ」
促すと、微妙な顔をしたまま藤見もフィルムを剥いた。
「おれの実家の話したっけ」
「書道家のお父さんの話なら」
「そうそう。親父がね、去年の夏から病気でね。まあ歳ってやつなんだろうな。おれの実家はHの離島にあるんだけど、遠いからね。姉貴一家もいるけど、書道教室までは面倒見れないってさ。だからこれで帰るわ、ってなったの。今年のHの教員採用試験受け直したんだよ。あっちの方が教員の空きはあるからスムーズだった。それで四月からはHで教員やるわけ。教員やりながら、落ち着いたら家を継ぐ感じかな」
「H、って、遠いよ、先生」
「遠いよ。だから帰るんじゃん」
「離れちゃうの?」
緋色の目が揺れている。いとこへの思慮でタトゥーを入れて来たときよりも揺れているように思ったから、それぐらいはちゃんと慕われたんだな、と分かって嬉しかった。嬉しくなったことが、悲しかった。
「ばか。卒業する春ってのはそういうもんだ」
「……卒業したらもっと自由に先生に会えると思ってた、」
「――……おまえはさ、せっかく秀でた頭があるんだから、それちゃんと育てて、うまく使え」
「……」
「もうタトゥーなんか入れて、身体を傷つけるようなことだけはしないで。健康に、安全に、過ごせ。……こんなところかな、おれからの送辞は」
「いやだ」
「藤見、」
「そんな、最後のお別れみたいな言葉は聞きたくない。……先生、おれは、先生が」
その、決定的なことを告げようとする真剣で遊びのない唇を、手で塞いだ。目が見ひらかれ、その目はそのまま私を睨む。
「それは、心にしまっとけ」
「……」
「前にも言ったけど、超えちゃいけない一線なんだよ」
だが藤見は、塞いだてのひらを上から握り、口元から外した。頬が上気して、唇がいつも以上に赤い。
「いつならいいの、」
「――成人したら、かな」
「じゃああと三年? 三年待ったら、先生に会いに行っていい?」
「いいけど、前に言った通りだよ。その年齢になったおまえに、おれが興味持てなくなってたらどうすんの。それに三年経ったら、おれだって歳取るよ。もう三十路だな」
「だっていまじゃだめだって言うじゃん、先生。なんにも教えてくれないし、見せてくれない」
「頼むからあんまりおれを試してくれるなよ。そんなにいい人間でもないんだ」
触れている手が熱いのは、お互い様だった。自分の中ではちゃんとはっきりしている。三年経って藤見に会えたら、自分は藤見の成長を素直に喜べると思う。けれど成人の三年と、青春の三年はイコールにはならない、この三年で、藤見はどのようにも変われる。自身も、環境も。
背中のタトゥーだって消してしまえるかもしれない。
「……今日、本を返そうと思ってたけど、まだおれが持ってていい?」
手を取っても身体は近付けられない、微妙な距離で藤見は訊いた。
「これ持って、三年頑張る。それで先生にこれ返しに行く」
「やだよ」
「先生、」わがまま言うなよ、と咎めるくちぶりだった。
「三年じゃまだ飲酒年齢じゃないじゃん。どうせなら二十歳で来いよ。ちゃんと全部大人で許されるようになってから来い」
「先生、」
「でも五年もしたらさすがに待ってられなくて、おれは結婚するかもしれないし」
「先生、」
「おっさんになって、太ったり、禿げたり、してんのかもしんないし、」
「先生、」
「おまえにはかわいい彼女が、彼氏でもいいけど、……いるかもしんないし、……おれじゃどうにも決めらんねえんだよ。未来の約束なんて、……分かんねえよ。出来ねえ」
「先生、怖いの、」
「……」
「先生の方が震えてる」
言うなり強く手を握られた。それで自分が鳥肌を立てていることに気付いた。
「おれぐらいの年齢で、先生、なにされたって言うんだよ……」
その質問に、答える余裕は持ち合わせていなかった。震えたまま、ひと言、「怖いよ」と答える。
「おまえは、怖い。おまえを考えてしまうおれが、怖い……だから離れるんだよ。距離と時間を置けば」
「先生、陣内先生。おれ、何年後か分かんないけど、ぜってーHに行く」
震える手を、強くつよく掴んで、掴んで、藤見はそっと離した。
「そのときのおれが、十五歳だった先生を助けてあげられるように、なる。おれは、そういう人間になる。先生がおれを散々助けてくれたみたいに、なる」
そうして藤見は、いままで見たことのない顔で笑みを作って一歩後ずさった。
「いま決めた。先生みたいな大人になったら、会いに行く」
「……藤見、おれはそんな大人じゃない、」
「またね、先生」
深く頭を下げ、「大変お世話になりました」と言い、子どもの軽やかさで藤見は卒業して行った。
「……キレーサッパリで、おまえには未練はねえのかよ、あほたれが」
そういうひとり言しか出てはこず、息をついて窓を開ける。三月の外気を吸い込んでむせて、涙が出た。
「……キレーサッパリで、おまえには未練はねえのかよ、あほたれが」
そういうひとり言しか出てはこず、息をついて窓を開ける。三月の外気を吸い込んでむせて、涙が出た。
深夜営業のスーパーで買った弁当を下げて、学校へ戻る。学年主任には藤見を引き取った報告だけ入れておく。職員室ではなくいつもの生徒指導室へ向かうと、入るなり藤見は立ち止まった。
「先生、なに、これ」
「これやるために教室借りてたんだよ。待ってろ、いま片付ける」
教室に広がっていたのは、大きな書道用紙だった。太い筆も、墨も、バケツにある。書道用のマットを机をどかして床いちめんに敷いてあった。何枚かの紙は、すでに墨が載っている。
「院展の締め切りが近いもんでね。おれのアパートじゃ狭くて大きな作品制作はできないんだ。教員はじめてからは学校の教室借りて書いてる」
「……これ、先生から借りた本に載ってた、」
「ああ、……そう。今年はね、おまえと話をして思い出して、これを出そうと思ったから」
藤見は書を眺めている。そこには藤見に貸した歌集に載っている歌を書いていた。
『こうこうと空にうかべるしろき雲何月何日とは識らねども』
『こうこうと空にうかべるしろき雲何月何日とは識らねども』
『かぎりなく憂愁にわがしずむとき水辺にあかき椅子はおかれる』
『いま にわの糸杉の樹にかぜがきて枝が動いているということ』
『いま にわの糸杉の樹にかぜがきて枝が動いているということ』
「この人の歌は激しい色彩や湿度があるから、正直難しい。まだどれにするとも決まってないんだけどね」
書きかけを隅にまとめ、机をがたがたと引っ張り出した。弁当と茶を置き、椅子に座るように促す。
いつもの椅子、いつもの机にかけ、ようやく力を抜いて、藤見はふ、と息をついた。
「食いな。食って身体あっためろ。まだ顔白いから」
「先生、訊かないの、」
「食ってから訊くよ」
自分は弁当を広げて箸をつける。そのうち藤見もサンドイッチを齧りはじめたが、しばらくして一枚の紙片を取り出した。
新聞の切れ端である。事件記事で、見出しは「ライブハウス捜索 青少年条例違反の疑いで」とあった。
「――さっき婦警さんが言ってたやつ、」
「いとこ、タク兄のバイト先で……タク兄も取り調べ受けてたんです。このライブハウスを根城にして、未成年相手に色々と商売やってるみたいで、とか、背景には指定暴力団が絡んでる、とかで。タク兄づてに……おれにタトゥーを入れた人も、取り調べを」
「藤見の件で?」さすがに箸を止める。
「いえ、おれのことは表にはなってないみたいなんですけど、おれの他にも、未成年で施術をしてもらった人が多いとかで。……さっきの婦警さんにも、訊かれました。ライブハウスにかかわりがあるのか、と。未成年相手に顧客名簿なんて作ってないですから、おれたちが『入れてもらった』と言わない限りはばれたりはしないでしょうけど、出入りがあったことぐらいは、防犯カメラ調べれば一発だから、怖くなって、」
「それはそうだな。まあ、特定しようとする気があれば、だろうと思うけど。誰かひとりが『入れてもらった』ってゲロって、客同士で繋がってれば芋づる式にもなる。さっきのいとこの兄さんとおまえにタトゥーを施術した人は、どういう繋がり? ただの知り合い程度か?」
「……タク兄の、恋人、です」
「――」
「だからタク兄は、もしその人が逮捕されるようなことになれば重要参考人、になっちゃうらしいです。いまはまだ調べが進んでなくて、本人たちも黙っているけど、……」
藤見は黙った。サンドイッチは机の上に齧りかけで置かれてしまう。新聞記事を見て、私は憂慮すべき事柄を訊いた。
「タク兄って人にはさ、当然なんだろうけど、タトゥーが入っているんだろう」
「……」
「おまえとタク兄は、ただのいとこか? なにかされたりしてないか? ……未成年に刺青勧めるようないとこってのは、正直、悪影響を与える存在としか思えない」
「……タク兄は、……」
藤見は黙る。せめて温かなものを、と思う。部屋の暖房を最大にする。
「前におまえ、おれに、誰に捨てられたのかと訊いたな」
こんなことは喋るつもりもなかった。けれど、もうじきおしまいだから、藤見には話す。許せるぎりぎりのところまで。
「おれは、捨てられたよ、確かにね。十五歳だった。おまえに同じ思いをしてほしくないと思っている。……捨てられたか、捨てられようとしているのは、おまえもそうなんじゃないのか、藤見」
「……先生は誰に捨てられたの?」
「いまは言わない。吐きたいぐらいむかつく話だから、いまのおまえにはぜってぇ言わねえ。おまえが大きくなって、多感な時期を抜けたら、話すかもしれん」
「……」
「おれはさ、おまえが入れたタトゥーってのはもしかしておれを意識して入れたのかなんて勘違いした節もあるんだけど、……おまえが尊敬して入れたタトゥーってのは、タク兄っていう人を真似た……んじゃないのか?」
そこまで指摘されると観念したのか、藤見は机に顔を突っ伏した。
「タク兄って大学入るまではすごく真面目で、頭もめちゃくちゃよくて、人なつこくて。にいちゃん、って感じで、勉強も教えてもらったり、……格好よかった。憧れの人です」
「うん」
「だけど大学入って変わっちゃった。それでも好きで、尊敬してたけど、……タク兄の背中にはね、月齢のタトゥーが入っているんです。恋人に入れてもらった、って。円形に、月の満ち欠けが背中にあって。見せてもらったとき、胃がねじ切れるかと思った。タク兄はこれっぽっちもおれのこと見てなくて、恋人に夢中。悔しかったし、自分の非力さに腹が立った。……タトゥーを入れたのは、タク兄とお揃いになりたかったのもあるけど、恋人って人がどういう人なのかを知りたかった、ってのもあった。左肩にまんまるの満月入れてもらって、おれはやっぱり、淋しかった……」
「ばかだな」
「おれ、先生の背中が見たい」
今度は顔をあげて、隠さない目で藤見はこちらを真正面から見た。
「先生のこと、ちょっとタク兄に似てるなって。最初はそう思って見てただけなんです。でも全然似てなかった。タク兄はおれにひどいことをするけど、先生は正そうとしてくれたし、道を示してくれる。……先生のこと、知りたい」
「見せねえよ」
目を見てくるから、自分も目を見る。相対するとどうしても負けそうになるのを、必死でこらえる。
「失恋の痛みを、ちょっとやさしくしてくれる大人相手に紛らわそうとしているだけだ、おまえのは。ちゃんとおれに興味があるなら、時期が来てタイミングが合えば、見せてやるよ」
「時期ってなに」
「おまえはまだおれの生徒だし、未成年だから。どんなにおまえがおれに興味があって、おれもおまえに興味があったとしても、それは超えちゃいけない一線なんだ、いまはね」
「……いまじゃなければ?」
「それにどうすんの、おまえ。おれがさ、おまえをかわいがってるのは、この時期のおまえのことに興味ある性癖ってだけだったら。少年であるおまえに価値があって、大人になったおまえに価値はない、っていう性癖だったら、どうすんの」
「そしたら一生先生の話は訊けないし、背中も見られない?」
「そのころにはおまえにもいい人がいるかもしれないし」
「……おれ、もし、とか、かも、とか、そういう仮定の話するの嫌です」
「数学の世界じゃ常套手段だろ」
「この話に裏付けはない」
言い切って、藤見はようやくお茶に口を付けた。
「――大人になったおまえに価値はない」
また目を見てくる。緋色の目だと思う。赤く燃え盛る極彩色の瞳。
「そう言って捨てられたのは、先生?」
「……ぜってー言わねえ」
弁当を食べ終えてからは、現状の把握とこれからの方向性の話をした。藤見はタトゥーの件を明らかにしてもいい、と言う。隠していても分かることだから、と。それを踏まえて職員会議がひらかれ、結果的に藤見のタトゥーの件は事件として社会的に扱われなかったことから公にはされなかったが、藤見は入学予定の学校から合格の取り消し処分となり、別の私立高校を一般受験して合格通知を受け取った。
冬休みあけて三学期、すぐの土曜日。学校に無茶言って居残りさせてもらっていたら、スマートフォンが鳴った。三学年の学年主任からの電話で、出ると「まだ学校にいらっしゃいますか?」とお訊ねがある。
「あ、います。どうかされました?」
『さっき連絡がありまして。三年の藤見和乗が補導されて交番にいるらしいんですわ』
「――え?」
危うく電話を取り落としそうになった。
「なにしたんですかあいつは」
『繁華街をこんな時間にうろうろしていたとかで、警察の方が声をかけたらしいんですけど、いったん逃げたとかで。事情を訊いて警察の方から連絡があったんです。藤見の家はいま誰もいないようでしてね。とりあえず学校側で引き取りに行きますと受けたはいいんですけど、私はいま妻の実家の方へ帰省してまして。すぐには行けんのです。陣内先生、お願いできませんか?』
「構いません、私が行きましょう。自宅へ送ればいいですか?」
『出来れば話を聞いてやってほしいんですわ。最近あいつは陣内先生と面談を重ねていますし、話もしやすいと思います。進路が決まって気が緩んでるのか、逆なのか、夏ごろからあいつはちょっとおかしいですね』
「分かりました。どこの交番か教えてください」
上着を羽織り、自家用車で指定された交番へ向かった。繁華街にあるちいさな交番で、中を覗くと若い女性の警察官と一緒にいる藤見の姿があった。マフラーに顔を埋めて、身体を小さくしている。
「夜分にすみません、西和第一中学校の陣内と申します。藤見ぃ、おまえなにやってんだぁ?」
「あ、先生ですね。よかったね、先生来てくださったよ」
婦警に促され、藤見は黙ったままぺこりと頭を下げた。
「なにやらかしたんですか、こいつは」
「ここから数百メートルのところにある『レッズ』っていうライブハウス、ご存知ですか? 最近あそこ絡みで事件が起きてますので報道をご覧になっていればご存知かもしれないんですけど。いまそこは警戒区域になっていて立ち入りを制限しているんですけど、そこに藤見くんがいまして。声をかけたら逃げるので、追いかけて話を聞いていたんです。まだ中学生なのにこんな時間にあんなところをひとりで歩いていたらね、藤見くんに事件性はなくても巻き込まれてしまうよ、という話をしていました」
「あ、じゃあ夜歩きしてただけですか、こいつは」ひとまずほっとした。
「今日はおうちの方がいらっしゃらなくて、夕飯を外に買いに出たついでにうろうろしてしまった、と。声をかけられて逃げたのは、びっくりしたからだと。でもよければ先生の方でもお話聞いてさしあげてください」
「それはもちろん。すみません、お世話をおかけしました。藤見、飯は買えたのか?」
声をかけると、マフラーに顔を突っ込んだまま藤見はぶんぶんと首を振った。
「じゃあ、どっかで買って戻るか。婦警さんにお詫びとお礼を言いなさい」
「……すみませんでした。あと、ありがとうございました」
「いいのよ。もうこんなふうに夜を過ごしちゃだめよ」
「……はい、すみませんでした」
頭を下げて交番を後にする。コインパーキングまで歩きながら、「今夜は冷えるな」と切り出す。
「腹減っただろ。家まで送るけど、話訊きたいから学校寄らせてくれ」
「今日土曜日だよ? なんで学校あいてるんですか?」
「ちょっと使わせてほしいって頼んであけてもらってるから。疲れてるか? 疲れたようなら今日はひとまず家に送って、話は明日以降で訊くけど。あ、でも親御さんいないんだっけ。今日は戻らないの? 遅いだけ?」
「いえ、戻りません。……ばあちゃんち行ってるので、みんなで」
「なんでおまえ残ったんだよ」
ぐしゃぐしゃと髪をかきまぜる。冷たい猫毛だった。パーキングへ戻って精算していると、「カズ!」と声がした。裏通りに面しているパーキングで、暗がりから若い男が息を切らしてやってくる。
「警察に追っかけられてたからどうなったかと心配してたけど、よかった、無事だったんだな。これからどうする? おれのアパート来るか?」
「あの、タク兄、……」
「どうした? 怖かったよな。ごめんな。おまえ、寒いのか?」
先ほど交番にいたときよりも、藤見はさらに身を固くしていた。男の指摘する通りに、震えが見て分かる。うつむいて後ずさるので、そのあいだに割って入った。
「どちらさんですかね」
「え、なんだよあんた」
「藤見くんの通う中学校の教諭です。彼が補導されたのを引き取りに来たんですよ。失礼ですが、あなたは?」
「ああ、センセイ。ふうん。それはうちのカズノリがご迷惑をおかけしました」
若い男は、殊勝な口ぶりでも失礼極まりなかった。
「おれはカズノリのいとこです。こいつの親父さんがおれの父親の兄弟。せっかく引き取りに来てくださったところ悪いんですがセンセイ、今日こいつの家には誰もいないんですよ。親戚で集まってるんで。今夜はおれのところに引き取りますから、帰ってもらっていいすか? それでいいよな、カズ」
あ、と思った。藤見の言っていた「ライブハウスでバイトしている大学生のいとこ」。それから藤見のこの震え方。
――ミサト、先生のこと、好きだよな。
嫌な呼気が耳元を掠め、外気温のせいだけでなく鳥肌が立った。
「――いえ、今日中に報告をしないといけないので、彼にはこのまま学校へ来てもらう必要があるんですよ。他の先生方も藤見を待っている状態でして」
そっと藤見の背に手を当てた。そっちへ行くな、と思いながら、コートの上から確かに触れる。
「遅くなるのでこれは申し訳ないんですけど、こちらも仕事ですので。親御さんをお呼びできないということですので、よろしければ学校へ父兄としてこのまま来ていただけますかね? ええと、お名前改めてお訊きしても?」
睨みつけてくる目は、藤見のあの目の形によく似ていた。同じ血統であることがよく伝わる。藤見もこんなふうに育つのだろうか、と男の上背を見ながら思った。髪を染め、眉を細く整えて、ろくでもないスラングの入ったスタジャンを着て。
ちっ、と舌打ちをして、男は背を向けて歩き出した。その背中に「帰られるんならご連絡先をお訊きしたいんですけどー」とあえて大きな声を出す。男は足早に路地裏へ消えた。
「――典型的なヤンキーって身なりだな、あれは。おまえ、あれがいとこで大丈夫なわけ? なわけないよな。おい、本当に平気か? 顔真っ白だぞ」
背に当てていた手でそのまま押して、車へ押し込んだ。
「追い返しちゃった。悪いな。あいつがおまえにタトゥーそそのかしたやつなら、やっぱり一緒に帰らせることはできねえんだよな、こっちとしてはさ。えーと、家戻るか? 学校行くか?」
助手席の藤見は答えなかった。寒さでがたがたと歯を鳴らしている。いや、寒さだけなのかは分からない。手を膝の上で固く握り、血の気はない。
「……あったかい方にしよう。なら学校かな。シートベルトしろ。動かすぞ」
暖房を最大にして車を発進させる。車中はだんまりだったが、信号待ちで止まったときに隣で「ほんとだ」とぽつんと声がした。
「目を細めても、信号の赤って眩しいですね」
「……」
「美術の神農先生が、遠くから目を細めて絵を見ると、ぼんやりとするから陰影がかえってはっきりする、って言ってた。だから緋色の椅子もあやしいんですかね……」
「……夜だからだよ」
「……」
「夜だから警告がはっきりしているだけだ」
青に変わってアクセルを静かに踏む。
プロフィール
HN:
粟津原栗子
性別:
非公開
自己紹介:
成人女性に向けたBL小説を書いています。苦手な方と年齢に満たない方は回れ右。
問い合わせ先→kurikoawaduhara★hotmail.co.jp(★を@に変えてください)か、コメント欄にお願いいたします。コメント欄は非公開設定になっています。
****
2022*08*11-21
暑いですね。番外編短編、ちょこっと更新しています。
2021*12*04-2022*03*17
お久しぶりです。短編長編更新。
短編「さきごろのはる」
短編「月の椅子」
短編「みんな嬉しいお菓子の日」
長編「ファンタスティック・ブロウ」
短編「冬の日、林檎真っ赤に熟れて」
2021*08*16-08*19
甘いお菓子のある短編「最善最愛チョコレート」更新。
問い合わせ先→kurikoawaduhara★hotmail.co.jp(★を@に変えてください)か、コメント欄にお願いいたします。コメント欄は非公開設定になっています。
****
2022*08*11-21
暑いですね。番外編短編、ちょこっと更新しています。
2021*12*04-2022*03*17
お久しぶりです。短編長編更新。
短編「さきごろのはる」
短編「月の椅子」
短編「みんな嬉しいお菓子の日」
長編「ファンタスティック・ブロウ」
短編「冬の日、林檎真っ赤に熟れて」
2021*08*16-08*19
甘いお菓子のある短編「最善最愛チョコレート」更新。
カウンター
カレンダー
03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
フリーエリア
最新コメント
[03/18 粟津原栗子]
[03/16 粟津原栗子]
[01/27 粟津原栗子]
[01/01 粟津原栗子]
[09/15 粟津原栗子]
フリーエリア
ブログ内検索