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成人女性を対象とした自作小説を置いています。
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 セックスみたいな腰の動かし方で、暁登の内腿から性器へと猛ったものを擦り付ける。次第に濡れた音が室内に響き始めた。暁登は顔を布団に押し付けて必死で耐えている。だが腰が揺れ始め、ついに自身の性器へと手が伸びた。樹生の動かし方では足りないとばかりに手を動かしている。
 その様にそそられた。樹生はしっかりと暁登の腰を掴むと、大きく腰をスライドさせた。もう、また、沸点に届く。そうしているうちに暁登が大きく震えて、三度目の精を吐く。
 続いて樹生も射精した。暁登の背中に出し、大きく息をつく。膝立ちで耽っていたせいで膝が痛かった。それでも枕元に手を伸ばし、ティッシュを取ると暁登の背中を拭った。
 暁登は布団に突っ伏している。それが心配になり、「塩谷くん」と声をかけた。
「……大丈夫?」
「……」
「塩谷くん」
「眼鏡、」と暁登は答えた。「眼鏡、ください」
「ああ、」
 樹生は立ち上がり、窓の桟に置いた眼鏡を暁登に渡す。暁登も起き上がり、それをかけた。かけてからじっと樹生に視線を向けて来るので、樹生はなんだかいたたまれない。
「塩谷くん、」
「ようやく見えます」
 そう言って、暁登は樹生の胸に手を当てる。
「岩永さんの体、見たいと思ってた」
「そっか」
「はい」
 樹生はその体を抱きしめる。眼鏡は肌に当たって痛かったので、また外した。そのまま布団に倒れ込む。シーツは体液で濡れていたが、替えなどなかったし、構いもしなかった。
 そのまま眠った。眠りに落ちる寸前に暁登がなにか言ったように聞こえたが内容までは聞き取れなかった。目覚めれば夜明けで、出勤時刻が迫っていて、暁登はもういなかった。


 その、樹生が起きる前に逃げた暁登といまこうして共に暮らし、同じ空間を共有しているのだから不思議なものだなと思う。ベッド下で本に夢中になっている後頭部を見つめ、パーカーのフードから覗く脊椎の浮き上がりを見つめ、樹生はフードを指でつまんで引っ張った。「ねえ」
「なに?」暁登が振り向く。
「今夜は一緒に寝よう」
 と言うと、暁登は眉根を寄せた。嫌でも駄目でもなく、困っている表情だ。
「風邪うつるから嫌だ」
「ずっとこの部屋にいてくれてたんだろ? うつるならうつってる。もう遅いよ」
「ベッド狭いし。あんたはでかいし」
「いいじゃん」
 普段ならこんな甘え方はしないな、と樹生は思う。熱で脳がやられている。
「心細いんだよ、一人寝が」
「……」
「あき、」
 すると暁登は立ち上がり、部屋から出て行った。しばらくして枕と毛布を抱えて樹生の元へ戻ってきた。どうやら樹生の懇願を聞いてくれるらしい。
 樹生は思わず笑ってしまった。それを見た暁登は、「とりあえずめし食うぞ、めし」と怒ったように言う。その世話焼きも嬉しくて笑っていたら、暁登もつられて少しだけ笑った。「ばか」と言われたが、幸福だと思う。


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プロフィール
HN:
粟津原栗子
性別:
非公開
自己紹介:
成人女性に向けたBL小説を書いています。苦手な方と年齢に満たない方は回れ右。
問い合わせ先→kurikoawaduhara★hotmail.co.jp(★を@に変えてください)か、コメント欄にお願いいたします。コメント欄は非公開設定になっています。

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