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成人女性を対象とした自作小説を置いています。
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 下着のゴムに手をかける。暁登はもう抵抗をする気はないようで、両手で顔を隠してただひたすら羞恥に耐えていた。
 すらりとした性器があらわになった。そこに指で触れる。幹を握り、先端を親指で刺激すると、暁登の腰がみだらに浮いた。
 それを口に含むと、暁登は「駄目です」と切羽詰まった声で樹生の頭を掴んだ。
「岩永さん、」
「――」舌先で突いたりこじ入れたりして、暁登の声は無視する。
「駄目です、嫌だ。やめ、やめて、」
「……」
「岩永さんっ……――」
 強く圧をかけて吸ったのが最大の刺激になったのだろう。暁登は細い体を大きく震わせて、同時に精を吐き出した。樹生はそれをうまく受け止めきれず、舌と顔にそれが飛び散ったが、不快だとは思わなかった。
 濡れた頬を指の腹で拭い、唇に運んで舐め取る。同時に薬局で買ったはずのコンドームの存在を思い出して、つい苦笑してしまった。
 荒く息を吐きながら放心していた暁登は、樹生のその笑いに怪訝そうな顔をした。
「いや、ゴム買ってたんだけど、つけるの忘れたな、と思って」
 それを聞いて、暁登はまた顔を覆い隠した。
「おれも大概、余裕ないんだ」
 そう言って、自身のズボンのホックを外し、性器を取り出した。
「ほら、」
 暁登の手を無理に剥がして、触らせた。そこはもう硬く膨らみ、先端も濡れていた。暁登は驚いた表情をしてから、きゅ、と目を細めた。
「な、やばいだろ」
「……はい、」
「おれも出したいんだけど、塩谷くん、手伝ってくれる?」
「嫌だって言ったらどうすんですか、」
「はは」
 樹生は息を漏らす。「自力で抜くしかないよな」
「……嫌じゃ、ないです。でも、やっぱよく、わかんないから」
「別に、ちょっと手ぇ貸しててくれるだけでいいよ」
 すると暁登は体を起こし、中途半端に脱ぎかけたシャツから袖を抜き、半身を晒す。それから樹生の胸に手を伸ばし、タンクトップの上から心臓の辺りに掌を当てた。
「……なに、どした、」
「岩永さんも脱いでください」
「……見ている通り、おれの体はあんまり綺麗なもんじゃないよ」
「眼鏡がないのであんまり見えてないです」
「あ、そっか」
 眼鏡は先ほど、窓の桟に置いたままだった。
「触りたいです、おれも、岩永さんに」
「……あんまいい触り心地でもないけどな」
「おればっかりされるのは、狡いです」
 そう言うので、樹生は薄く笑って「分かったよ」と答えた。タンクトップの裾に手をかけ、ひと息に脱ぐ。暁登の手がこわごわ伸びて来たので、その手首を掴み、先ほどタンクトップの上から触れた心臓の辺りに導いた。



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プロフィール
HN:
粟津原栗子
性別:
非公開
自己紹介:
成人女性に向けたBL小説を書いています。苦手な方と年齢に満たない方は回れ右。
問い合わせ先→kurikoawaduhara★hotmail.co.jp(★を@に変えてください)か、コメント欄にお願いいたします。コメント欄は非公開設定になっています。

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